平成24年度は、3年間の研究をまとめ、中等教育段階の学校において使用可能な化学教育におけるプロジェクト授業のモデルを最終的に提示した。 (1)授業モデルの開発、試行、評価: 平成23年度までに開発した授業モデルに加えて、「エネルギー効率」、「電池」、及び「酸・塩基」を題材とした化学の授業モデルを新たに開発した。「エネルギー効率」の授業モデルは、バイオエタノールの利活用をテーマとし、化学の内容だけでなく、化学と生物、物理の内容とを関係付けたものであった。2013年1月に日本において試行、評価した。また、「電池」の授業モデルは、2012年8月に韓国において試行、評価した。これらの試行には、日韓両国の生徒が参加した。さらに、「酸・塩基」の授業モデルは、2013年2・3月に日本において試行、評価した。評価の結果、開発した授業モデルは、生徒の探究能力・問題解決能力の育成に有効であることがわかった。また、特に「酸・塩基」の授業モデルは、生徒の化学への関心や有用感を高めるうえでも有効であることがわかった。 (2)授業モデルの提示: 授業モデルの試行と評価を踏まえて、アジア諸国の高等学校において使用可能で、国際的に展開できる化学の授業モデルを提示した。 (3)研究成果の発表: 研究成果の一部を、22nd International Conference on Chemical Education、日本理科教育学会第62回全国大会において発表した。
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