研究課題
本研究では、初等中等教育における情報教育の中で、情報の科学的な理解を効果的に扱うための教育手法であるコンピュータ・サイエンス・アンプラグド(以下、CSアンプラグド)の本質を解明し、新学習指導要領における中学校「技術・家庭」および高等学校「情報」の授業で活用することが可能な改良と独自の教材開発を行うことを目的としている。初年度である平成22年度には、「CSアンプラグドが情報の科学的理解の教育に効果がある理由の分析」を行い、得られた仮説を「新学習指導要領の内容との対応分析および授業での評価実験」において検証した。本年度は、CSアンプラグドに含まれる12個の学習により、学習者がどのような情報の科学的な内容を理解していくかというモデルを活用し、高等学校と中学校の新学習指導要領に適した教材の改良と、新しい学習教材を開発した。教材開発は、連携研究者と協力して進めた。CSアンプラグドの考案者であるカンタベリー大学のTim Bell博士のほかに、初等中等教育向けの情報科学コンテスト(Bebrasコンテスト)を行っている欧州の研究グループと連携し、リトアニアで意見交換を行った。実験授業は、中学校、高校、障害者訓練校で実施し、成果を論文としてまとめた。中学校「技術・家庭」の評価は論文として公開した。高等学校「情報」の評価は論文を投稿した。障害者訓練校の評価は英文の論文として公開した。
1: 当初の計画以上に進展している
今回のテーマに関する教育現場からの関心や期待が高く、評価実験などをスムーズに行うことができた。
本研究で扱っている教育手法は、小学校から社会人向けの職業訓練など、当初の予想以上に適用範囲や効果が高いことがわかってきた。最終年度である平成24年度は、得られた成果をまとめつつ、今後の研究の可能性についても考察を行いたい。
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Lecture Notes in Computer Science
巻: Vol.7013 ページ: 82-93
日本産業技術教育学会誌
巻: Vol.53, No.2 ページ: 115-123