研究概要 |
本研究では,高専の学生(特に低学年の学生)を対象として,情報技術に対する興味の掘り起こしと勉学意欲の強化を目指し,インタラクティブ性に優れた電子教材の開発に取り組んでいる。本年度の主な成果を以下に示す。 1.グループ学習形式のプログラミング体験を支援するシステムの構築:プログラミング体験を支援するため,「グループのメンバー一人ひとりが自分で作成したプログラムを持ち寄り,それらを合わせることで全体としてまとまった動作をさせる」ことでプログラミングを学ばせる演習環境の構築に取り組んでいる。昨年度までに基本的な機能を実装したプロトタイプシステムを完成させたが,本年度は,より実践的なシステムの構築に向けて,機能拡張と使い勝手の向上を計った。 2.ArduinoとProcessingを利用したフィジカルコンピューティング演習の試み:Arduinoというマイコン基板とProcessingという開発環境を利用することで,様々なハードウェア制御プログラムを効率よく作成できるため,「ものづくりマインド」をもったソフトウェア技術者の育成に効果があると考えている。そこで,ArduinoとProcessingを利用したフィジカルコンピューティング演習課題を,高専4年生のプロジェクト実験のテーマとして設定し,半年に亘って,実践研究を行った。 3.タブレット端末を利用した情報教育支援ソフトウェアの開発:専門情報教育の基礎科目である「デジタル回路」を対象として,タブレット端末を利用した直感的でインタラクティブな教材の開発を行った。そこでは,タブレット端末上に,ブレッドボードと回路素子がシミュレートされており,実験室以外の場所(自宅など)で模擬実験を行うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
卒業研究および専攻科の特別研究の中心的なテーマとして取り上げ,研究室のメンバー全員で,「教育支援システムの構築」と「インタラクティブ教材の開発」に取り組んでいく。また,「フィジカルコンピューティング演習を組み込んだ学生実験の試み」に関しては,学生実験を担当している教員と連携し,教育現場における実践的な研究を進めていきたい。
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