研究課題/領域番号 |
22500835
|
研究機関 | 文部科学省科学技術政策研究所 |
研究代表者 |
浦島 邦子 文部科学省科学技術政策研究所, 科学技術動向研究センター, 上席研究官 (30371008)
|
キーワード | グリーン・イノベーション / 人材問題 / 女性研究者 / 工学部 / 温室効果ガス / エネルギー / 環境 |
研究概要 |
本研究は、グリーンイノベーションの推進において、人材問題、特に女性研究者にフォーカスをあてて、温室効果ガス削減に寄与するための施策を検討するものである。今年度は、昨年に引き続き、グリーンイノベーションに関する施策について、次の二つをメインに国内外の現状を調査し、研究動向を把握すると同時に、女性研究者の活躍の実態についても検討した。 1、現状把握-グリーンイノベーションに関する取り組みなどの情報収集、女性研究者を対象とした研究および調査に関する情報収集。 2、国際会議への参加-グリーンイノベーション関連の国際会議へ参加し、女性研究者とディスカッションし現状を把握する。 今年度は、特に震災後のわが国および各国のエネルギー政策の変化を中心に情報収集し、そうした中で環境変化、特に世界における女性研究者問題の所在について俯瞰的に整理し、次年度に向けた方向性を見い出すことを目的として計画を進めた。国内外の国際会議に参加し、多くの研究者と研究内容のディスカッションを通じて、女性研究者の活躍具合について把握した。その結果、次のような結果を得た。 ・環境に対する関心は女子学生のほうが男子学生よりも大きい ・エネルギーや環境問題に関心を持つ女性が増加 ・工学部へ入学する女子学生数は伸びているものの、大学院に進む学生はいまだ少ない ・海外で女性が活躍しているケースは、日本よりも目立つ ・女性研究者のモデルケースを広める必要があり、この部分が女性研究者の活躍向上のキーとなる可能性が高い これらの結果を裏付けるためのデータを収集する必要があることから、来年度は最終年度としてより具体的な方策について検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国内外の研究者へのインタビューは年6回程度を見込んでいたが、招待講演などもあり、予定の倍実施することができた。特に海外での実施は、わが国との比較をするうえできわめて有用な調査となった。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、データベースなどを利用してここ数年間の女性研究者の動き、またグリーン・イノベーションに関連する各種データを収集し、現状を把握する。そしてできたデータを分析してできるだけ多くの研究者にインタビューを実施し、データと実際体感している現状との乖離を比較検討することをメインに行う予定である。
|