研究課題/領域番号 |
22500836
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前沢 政次 北海道大学, 名誉教授 (90124916)
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研究分担者 |
川畑 秀伸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20325864)
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キーワード | 地域医療 / 医学教育 / 社会医学 |
研究概要 |
本研究は、地域基盤型医学教育推進のための基礎資料として、プライマリ・ケア医が医学生・研修医指導を行う上での動機、ニーズ、障害に関して、現場の声をくみ上げるインタビュー調査という形でのデータ収集を目的としている。プライマリ・ケア医が後継者を育成するための教育支援につながる研究であり、医師の地域間偏在解決の一助となるという意義・重要性がある。 H23年度の本調査では、H22年度の半構造化面接(予備調査)結果を基に、ディスカッショントピックスを確定させ、フォーカスグループインタビュー(1グループ60分×4グループ)を実施する計画であったが、折しも、本研究成果を最も必要とする学協会の一つである、日本プライマリ・ケア連合学会の第2回学術大会がH23年7月に研究代表者の地元(札幌市)で開催されることが確定したため、研究代表者・研究分担者・研究協力者全員で議論し、当初よりも本研究の最終目的を達する手段として適するという判断に基いて、研究遂行手法を同学会でのワークショップ開催による意見集約・学会への提言という形に変更した。 具体的な研究遂行方法として、同学会でワークショップを主催し、趣旨説明・先行研究文献説明・予備調査の結果説明(20分)を行い、参加者の医師・医学生を僻地・都市部双方が含まれるように、2班に分け、「地域基盤型医学教育を行う際のニーズや障害とその対策」について、白板や模造紙、ポストイットを用いたKJ法によるグループ毎の討論と意見集約(80分)、最終発表(20分)を行った。 成果として、学生・医師・環境という3つの視点から、学生や指導医個人レベルの課題から、学生や指導者の組織の課題、さらには、両者と教育機関である大学や教育の場の自治体を含んだシステム的な課題といった3つのレベルでのニーズ・障害・対策に関する予備調査結果をさらに深めた意見集約と学会への提言が行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定されていた学術成果物以上のものが得られた。具体的には、ワークショップ開催(学術成果の影響力としては、当初予定していた学会発表以上である)、及び、今年度予定のなかった成果である学術論文の公表について、達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度は、本研究の最終年度に相当する。そこでは、予備調査・本調査の成果をまとめ、具体的な地域基盤型医学教育モデルの作成を行うこととしている。 これまでの研究の報告価値が高いと考えられることから、来年度、国際学会(具体的には、学術成果の影響力を考え、H24年度、韓国の済州島で行われる世界一般医家庭医学会アジア太平洋学術会議(WONCA APR)を予定)での発表も行える予定である。
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