平成24年度から全面実施される中学校の新学習指導要領の技術・家庭科[技術分野]の学習指導たおいて、A材料と加工に関する技術、Bエネルギー変換に関する技術、C生物育成に関する技術、D情報に関する技術の4領域の内容がすべて必修となる。しかし、授業時間数は従来と変わらず、4領域の内容に均等に時間を配全して学習指導することは難しい。このようなことから、技術分野の指導内容と指導方法を抜本的に見直す必要がある。そこで、現代の技術の中核となっている「計測制御技術」を柱にして、4領域の学習内容を複合した総合的なものづくりの教材とそのためのカリキュラムを開発することをねらいとする。 具体的には、マイクロコンピュータを用いたコントローラづくりとそのプログラミング(情報)、ライントレースカーづくり(ものづくり・エネルギー変換)、自動水やり機と栽培(ものづくり・エネルギー変換・生物育成)に関する教材を開発した。また、マイクロコンピュータを使わない電気回路のみで制御するものづくり教材を開発した。 中学校技術科の教員を対象にした研修を実施し、教材の評価とその指導計画を練りあげた。それにもとづいて、中学生を対象にロボットづくり教室を開催して、教材とその指導計画の適切性を評価した。その結果、中学生は興味をもって教材に取り組み、教材の準備をすることで、12時間程度で指導できることがわかった。 また、マイクロコンピュータを使うことめ意義をどう理解しているかを検証するために、教育学部の学生を対象に、開発した2つの教材を使って試行した。その結果、コンピュータによる計測制御の意義を明確に指導できる教材の開発が必要であることがわかった。
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