平成22年度から、中学校の「技術家庭科」(技術分野)の指導計画の調査と検討、ものづくりの題材、教材の開発、「プログラムによる計測制御」の授業実践に取り組んできた。平成25年度には、つぎのことに取り組んだ。 (1)教育センターや市町村の教育委員会と連携して、教員研修を実施し、これまで開発してきた教材、3年間の授業計画について意見を聴き、「プログラムによる計測制御」の指導内容と「材料と加工」や「エネルギー変換」の内容と融合し、学校現場の実態を踏まえ、中学2年生(授業時間25時間)と3年生〔授業時間12時間〕の指導計画を作成し、2つの中学校で実践した。いずれもエネルギー変換を題材として、製作した物をコンピュータによって制御した。その結果、3年生の授業時間に余裕がなかったが、2年生、3年生ともに興味をもって取り組み、基礎力の到達度も高く、機械や電気の知識を活用し、制御対象を製作し、制御することで、生徒が学習目的を明確に持って取り組めることがわかった。 (2)これまでの授業実践では、多用途に使える自動車モデルを題材にして生徒に指導してきた。「プログラムによる計測制御」に関する指導内容と題材や教材への生徒の興味は高い。しかし、男子生徒と女子生徒の興味・関心を比較すると、男子生徒の方が高いことがわかったので、制御対象としての題材として「フルカラーLEDの製作と制御」を取り入れ、指導を改善した。その結果、男子生徒は自動車モデルを、女子生徒はLED照明モデルを選択して取り組んだ。しかし、女子生徒の興味・関心を高めるまでには至らなかった。 (3)導入教材として生活に関連したモデル教材を開発してきたが、産業現場における教材が少ないので、コンピュータで制御できの文字彫刻機械を開発した。 以上の成果をもとに、今後、指導計画、題材、教材を練り上げ、中学校の技術教育を体系化していく。
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