研究概要 |
本研究の目的は,1.最先端の再生可能エネルギー技術を題材とし,児童・生徒に体験的に学習する教材・教具を開発する。2.それらを活用した効果的な授業展開やカリキュラムを構築する。3.授業実践や教員研修及び科学館等での活用を通して,それらを評価し,成果を広範囲に発信することを目的にしている。平成23年度の研究成果及び検討結果を下記に示す。 1.本年度より始まった小学校の新教育課程におけるエネルギーに関する学習項目を先進校の教諭と4回に渡る意見交換を行い,エネルギーを定量的に測定する装置を開発し,授業実践でその効果を検証した。 2.再生可能エネルギーの教材として,色素増感タイプの太陽電池を活用した,電気二重層コンデンサに充電する装置を開発した。また,単結晶・多結晶・アモルファスなど,素材の違いによる発電効率の実験をもとに,それらを学習する指導過程を検討した。 3.海洋エネルギーに着眼した教材として,波力発電教材を開発し,実用新案を申請した。また,それらを活用した授業実践を行い教材の評価,カリキュラムの評価を行った。 4.平成24年度の授業実践のための打ち合わせを持ち,具体的な実践校を設定し,指導手順の検討を行った。 5.開発した教材を普及するために,教材メーカとへ働きかけ,教材として市販化する検討会を持った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初立てた計画通り,本年度は,教材・教具を開発し,実験授業を通して,教材・教具,カリキュラムの表ができた。また,東日本大震災の影響で,新エネルギーに対する注目が集まり,これまで以上に学校現場が,これらの研究に興味を示した。
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今後の研究の推進方策 |
これらの研究をさらに推進すると共に,研究成果をまとめ,評価し,発信したいと研究計画を立案している。まず,教材・教具の改善である。本研究で,開発した教材をより効率よく安価で,提供できるよう改善する。指導過程を再吟味し実験授業でその効果を検証する。また,教員研修とでそれらを活用し,教員からの評価をいただくとともに,広く活用するための手立てを検討する。研究成果を,学会等で発表し,成果物を流通させる。
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