研究概要 |
本年度はこれまでに学校教育現場用に開発した色素増感太陽電池教材の教育現場での評価を行った。これまで「青少年のための科学の祭典宮崎大会」や宮崎県教育庁主催の「科学夢ロマン事業」,「教員免許更新講習」などですでに本電池の教材としての有効性に関する評価を教員や生徒からうけている。その結果,生徒の評価としては,太陽電池を実際に自分で作ることができることに興味関心と先端的な科学技術を経験できることに対して,高い評価を得た。また,小中高校のいずれの学校種でも電池の作成が可能で,しかも作成を経験した教師はそれを授業に取り入れることが可能であるという結果を得た。しかし実際の学校現場の授業の中で実施した経験がなかった。そこで平成23年度は以下の計画に基づいて教材化の研究を行った。 具体的には,宮崎の県立高校、公立中学校、附属学校等の理科教員に対して,すでに代表者が実施している出前授業で実験を実施し、生徒及び教師の興味・関心がどこにあるのかをアンケートを実施した。その結果,作成における材料の入手方法や試薬の調整方法など不明な点が多く,この点に関しては適切な購入のためのアドバイスをすることによって解決できることが判明した。また,完成に至るまでの工程において技能を要する点がいくつかあることも判明した。このように,色素増感太陽電池を教師や生徒に作製させる際の問題点の明確化できたばかりでなく,今後,電池を教材として教育現場にどのようにすれば導入しやすくなるのかについて,その方法が明らかにできた。
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