研究課題/領域番号 |
22500865
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
井上 浩義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10213175)
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キーワード | 原子力 / 放射線 / 福島第一原発事故 / 小中高校生 / オンキャンパス教育 / オフキャンパス教育 / 社会的認知 / 科学的認知 |
研究概要 |
平成23年度は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により制御不能な状態に陥った福島第一原発事故により、原子力・放射線に対する不安が高まったことを受け、小中高校生および教諭・保護者と共に、原子力・放射線に関する科学リテラシーとしての原子力・放射線の科学理解が進むプログラムおよび教材の開発だけでなく、当該原発事故の解説の場を多く設けた。具体的には、(1)原子力・放射線教材素材の整備:研究代表者らが過去に作成し、保有している原子力・放射線教育用素材(240項目程度)を基礎として、平成22年度に見易いように改変した教育素材を基盤として、新たな創作素材を加えて、原子力・放射線教育素材の整備を行った。(2)小中高校生・教諭・保護者による教材作成およびオンキャンパス教育実践:「小学生向教材」の作成を中心に行い、平成23年3月11日に発生した福島第一原発事故を念頭に、小中高校生の疑問、および一般公衆の疑問を拾い出し、それに応える形を想定して作成した。また、その結果は、実際に小学校で総合的学習の時間に使用して頂き、実践での評価を頂いた。(3)オフキャンパス教育実践:本年度は高校生が作った教材を使ってオフキャンパス教育(福岡市で平成23年7月に2回、横浜市で平成23年8月に2回を、教諭および保護者のご協力を得て行った。(4)原子力・放射線に関するディベート教育実践:上記(2)の教材を用いたディベート教育を平成23年5月に全国の小中高校生を集めて実践した。ディベートは小中学生グループと高校生グループに分かれて行った。なお、同様の試みを福島第一原発事故前の平成22年12月に行っており、その両者の比較も行い、学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画内容を逐次実行に移しており、更には、予期せぬ福島第一原発事故による原子力・放射線教育の要望にも、教育実践の形で応えることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、研究期間3年の最終年にあたるため、総括として、教育実践に注力する。特に、福島第一原発による原子力・放射線の理解について、対象を現行の小中高校生から将来は全年齢層とできる生涯教育教材・システムに発展できるように、工夫を重ねる。
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