研究概要 |
本研究は,我が国と類似の文化圏の韓国・中国の情報教育が『小学校から高校に至る情報教育は児童・生徒の科学的・批判的な能力を養うに十分な教育が行われている』という我々の先行研究の結果を踏まえ,両国と異なる文化圏(例えば西洋,米国)の調査を含めて,我が国の体系的情報教育の在り方とカリキュラム開発を試みることを目的とした。 本研究により,各国に共通する情報教育の体系化,児童・生徒の意欲と知識構造化の関係と,カリキュラム構築の適切な内容が導き出せると考えた。 そこで平成22年度は,ペレグリーノ評価理論の『学習者の診断』『教授方法の改善』『学習プログラムの評価』の3目標と,「認知」「観察」「解釈」の3つの理論的枠組みを勘案し,我が国の中学校「技術・家庭科」と高校教科「情報」教科書での必須用語を抽出した。同時に日本・韓国・中国・西洋(米国等)の各小学・中学・高校で「情報教育」に関するカリキュラム内容を調査・分析するため,米国と中国に調査を依頼した。 また,21年度までの研究成果の追確認を複数の継続校で行い,ブルームの3つの教育目標領域とカリキュラム内容,継続研究してきた評価項目との関係の検証を行った。 この結果,「情報の科学的理解」について再検証が必要であり,来年度以降諸外国と比較研究し,児童・生徒の情報教育の認知過程の構造化を分析し,指導内容と教授法改善を検討すべきことが示唆された。
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