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2012 年度 実績報告書

メタ認知活動学習を容易にする訓練環境条件の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500894
研究機関玉川大学

研究代表者

茅島 路子  玉川大学, 文学部, 教授 (80266238)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードメタ認知 / メタ認知駆動学習 / Error-Based Simulation
研究概要

平成24年度は,平成23年度に考案したメタ認知駆動学習のモデルに基づき,①ニュートン力学の原理の学習支援システムEBS(Error-Based Simulation)がメタ認知駆動学習を支援しているか否かを分析した.そして,②EBSに付加するメタ認知駆動学習支援機能を検討,実装し,かつ,③メタ認知駆動学習支援機能として概念マップを用いた実践も行った.具体的には,①2008年に公表されたEBSの実践論文の学習成果インタビュー記録を分析した.その結果,物体に働く力の正解の一般化が,学習者によって相違があることを確認した.複数の生徒は物体に働く2つの力の向き (例えば,重力と床が物体を支える力)のみを言及していたのに対し,たった一人の生徒はそれに加え,2つの力の大きさの関係も言及していた.この分析から,EBSは物体に働く具体的な力を一般化し原則を構成する支援とはなっているが,原則の特性を把握し,適切な概念で正確に認定するメタ認知駆動学習を支援していないと判断した.
次に,②問題を正解した後に適用した原則の特性を概念で認定させる促しをメタ認知駆動学習支援機能としてEBSに付加し,文系学部大学生13名を2グループ(統制群6名,実験群7名)に分け, EBSを用いた授業実践を行った.事後テストの結果は,2グループ間に有意な差がなかった.③文系科目において学習内容を概念マップで表現させ,それとレポートの成績との関連を調査した.結果は関連がある科目とない科目に分かれた.これらの結果が示すように,学習内容を概念で認定させる支援が問題解決を促進することを検証できなかった.だが,EBS実践の実験群学生が記載した原則を分析すると,「力のつり合い」と「作用・反作用」という2つの原則の特性を混在させて使用していることが確認できた.これはEBSに付加したメタ認知駆動学習支援機能の改善の方向性を示唆する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

メタ認知駆動学習支援機能を付加したEBSを用いた授業実践を行ったが,メタ認知駆動学習支援機能が問題解決を促進することを検証できなかった. これは,交付申請書に記載したメタ認知駆動学習機能が問題解決を促進することを検証できなかったことを示し,当初の計画より,やや遅れていると言える.しかし,メタ認知駆動学習支援機能による学生の記載した原則「力のつり合い」を分析すると,「力のつり合い」と「作用・反作用」の特性を混在して使っていることを確認できた.これは,メタ認知駆動学習支援機能の改善の方向性を示唆している.

今後の研究の推進方策

平成24年度に考案したメタ認知駆動学習支援機能を付加したEBSを用いた授業実践を行ったが,メタ認知駆動学習支援機能が問題解決を促進することを検証できなかった.しかし,メタ認知駆動学習支援機能による学生の記載を分析すると,「力のつり合い」と「作用・反作用」の特性を混在して使っていることを確認できた.これは,2つの原則を区別できていないことを示す.これはメタ認知駆動学習支援機能の改善の方向性を示唆しており,平成25年度は,メタ認知駆動学習支援機能を改善し,再度,EBSに実装,授業実践を行い,メタ認知駆動学習支援機能が問題解決を促進することを検証する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 2012年度「人間学特殊研究」授業デザインの評価2013

    • 著者名/発表者名
      茅島路子
    • 雑誌名

      論叢 玉川大学文学部紀要

      巻: 53 ページ: 1-12

  • [学会発表] KitBuilt MapSystemによる主体的な学修時間の確保

    • 著者名/発表者名
      茅島路子
    • 学会等名
      第19回大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学(京都府)

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公開日: 2014-07-24  

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