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2011 年度 実績報告書

メンターエージェントを用いたシナリオ自動展開可能なロールプレイ演習の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500895
研究機関東京工科大学

研究代表者

中村 太一  東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (60386761)

研究分担者 高嶋 章雄  東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教 (80421999)
キーワードエージェント / シナリオ / ロールプレイ演習 / 自動生成 / 事例推論
研究概要

ロールプレイ演習を介してプロジェクトマネジメント手法を実際の現場で使えるようにするために経験豊富なプロジェクトマネージャーと同等な高度な専門能力を有するソフトウェアエージェントを開発する.研究課題は,(1)仮想プロジェクトに登場するステークホルダーの役割を割り当てられたエージェントがステークホルダーの利害を最大にする理想の行動を推定する,(2)エージェントに性格とステークホルダーの役割意識の強さを付与し,それらを基に行動の動機と感情の強さを算出し,それらの強さで推定された理想の行動を変更する,(3)演習者とエージェントの行動に合わせてロールプレイ演習のシナリオを自動的に生成する,である.
平成23年度は,(1)仮想プロジェクトで発生する問題解決にあたり、ロールプレイ演習者が意思決定した解決案を評価する方法,(2)仮想プロジェクトの状況に対応して演習者が提示する解決案の代替案を提示する方法,(3)演習者の意思決定と仮想プロジェクトの状態を入力として,演習者に提示するシナリオを変更する機能,(4)演習者の取り組み態度を実時間でモニターして,ロールプレイ演習者へメンターの役割を担うソフトウェアエージェントあるいは教員がアドバイスを行う方法を開発した.これらの機能を実現したシナリオ自動生成できるロールプレイ演習を学部3年生が行った結果,役割を演じる際に自己裁量の範囲が広がり,取り組みの意欲が高まったとの評価を得た.また,ロールプレイ演習中の演習者の行動を実時間でモニターすることで,教員が時機を逸せず指示できることを示した.本取り組みは,情報処理学会情報システム教育コンテスト(ISECON2010)にて最優秀賞を得た.
平成24年度は、ロールプレイ演習者が仮想プロジェクトで起きる問題を抽出,対策立案,実行,そしてモニターする意思決定サイクルを回すことで,意思決定力を向上させるロールプレイ演習システムを開発する.また,ロールプレイ演習中の演習者の行動ログと獲得したスキルレベルとの関係を表すモデルを構築する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロールプレイ演習における演習者の行動と仮想プロジェクトの状態を実時間で評価する機能を実装し,論理的にあらゆる状態に仮想プロジェクトが遷移できる方法を確立できた.また,実際にロールプレイ演習を行った結果,自己裁量の範囲が広がり学習意欲向上に寄与できることを確認できた.以上より,所期に目論むシナリオの自動展開の可能性が確認でき,これからの1年でプロジェクトマネジメント教育に適用して有効性を客観的に示すことに専念できる.

今後の研究の推進方策

ロールプレイ演習者が仮想プロジェクトで起きる問題を抽出,対策立案,実行,そしてモニターする意思決定サイクルを回し,意思決定力を高めるロールプレイ演習システムを開発する.平成23年度は仮想プロジェクトのあらゆる状況をシナリオに記述することで,論理的にはロールプレイは自動的に生成されるシナリオに従いすすむことが確認できたが,シナリオが膨大になり現実的ではない.この問題を解決するために,プロジェクトマネジメントの知識体系(PMBOK)の知識ネットワークで仮想プロジェクトの状態を表しそれを演習者に提示する方法を開発する.知識ネットワークは仮想プロジェクトをシミュレートするものである.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] ロールプレイ演習における行動履歴に基づく学習評価およびメンターエージェント導入による効果の分析2011

    • 著者名/発表者名
      高嶋章雄,丸山広,野口達也,田口絵里香,廣瀬大輔,中村太一
    • 雑誌名

      日本教育工学会論文誌

      巻: Vol.35,No.3 ページ: 247-257

    • 査読あり
  • [学会発表] オンライングループワークにおける発話意図に基づく学習態度分析手法の提案2012

    • 著者名/発表者名
      原田修平,丸山広,高嶋章雄,中村太一
    • 学会等名
      プロジェクトマネジメント学会2012年度春季研究発表大会
    • 発表場所
      東洋大学,東京文京区
    • 年月日
      2012-03-15
  • [学会発表] Project Management Education on providing a Role-Play Environment2011

    • 著者名/発表者名
      Taichi Nakamura, Akio Takashima, Hiroshi Maruyama
    • 学会等名
      The Eighth Japan-China International Workshop on Internet Technology and Control Applications (ITCA2011)
    • 発表場所
      東京工科大学,東京八王子
    • 年月日
      2011-12-06
  • [学会発表] The use of System Development Projects as part of Undergraduate Computer Science Studies2011

    • 著者名/発表者名
      Taichi Nakamura, Akio Takashima, Hiroshi Maruyama
    • 学会等名
      2nd International Symposium on Project Management (ProMAC Symposium 2011)
    • 発表場所
      Batam Island, Indonesia
    • 年月日
      2011-11-30
  • [学会発表] Role-Play Training for Project Management Education using a Mentor Agent2011

    • 著者名/発表者名
      Taichi Nakamura, Erika Taguchi, Daisuke Hirose, Masahiro Ishikawa, Akio Takashima
    • 学会等名
      The 2011 IEEE/WIC/ACM International Conferences on Intelligent Agent Technology, INTERNATIONAL WORKSHOP ON LEARNING, AGENTS AND FORMAL LANGUAGES
    • 発表場所
      Campus Scientifique de la Doua, Lyon, France
    • 年月日
      2011-08-22
  • [学会発表] 教材を動的に調整するロールプレイ演習を介したPBL2011

    • 著者名/発表者名
      中村太一,亀田弘之,高嶋章雄,丸山広,野口達也
    • 学会等名
      情報処理学会情報システム教育コンテスト(ISECON2010)
    • 発表場所
      青山学院大学,神奈川
    • 年月日
      2011-05-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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