研究概要 |
本研究は,「学校の組織的教育力向上のためのミドルリーダー支援と関わって,各種事業,及び教職大学院等による各取組」の成果・方法を明確にし,その体制化を図る支援プログラム及び運用支援システムの開発・運用評価を目指すものである. 平成22年度は,当初研究計画に基づき以下3つに取組み,その成果を得た. (1)奈良県教育委員会による「学校改善支援プランに基づく学力向上実践研究」「第三者評価を生かしたアドバイザリー制度」,さらに「奈良県ディア・ティーチャープログラム(教育委員会が企画し行う教員養成プログラム)」の各成果や取組方法(評価項目とその運用などの分析を含む)について,報告書の分析,担当者へのインタビュー,及び質問紙調査,取組過程の会議録を通して,「学校の組織的教育力向上のためのミドルリーダーの役割」「メンティー指導におけるメンターの役割」について,その考え方,とらえ方,実際の取組の整理を行い,日本教育工学会学会,日本教師教育学会などで研究発表を行った. (2)「ミドルリーダーためのメンターリング手法」を遂行していくために明らかにしてきたモデルを,奈良教育大学教職大学院のストレート院生の実習指導に応用し,メンターとメンティーに調査を行い,メンターリングを考えていくための行動リストを明らかにし,その成果を論文化した(奈良教育大学教育実践総合センター研究紀要20). (3)諸外国の取組について,北米でカリフォルニアのニュー・ティーチャー・センターへの訪問調査,英国National College for Leadership of Schools and Children's Serviceを訪問しミドルリーダー研修プログラムの実際に参加し,実地調査を行った.本調査結果は,奈良教育大学研究紀要(人文・社会科学)60(1)に掲載予定である.
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