研究課題/領域番号 |
22500928
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
中村 隆敏 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (70509786)
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キーワード | 教材コンテンツ / 生涯学習 / エコ・ミュージアム / eラーニング |
研究概要 |
本研究の目的は、e-ラーニングを活用したシニア層生涯学習のための高度コンテンツ開発のサンプルモデルを目指すことである。鑑賞型HD動画による伝統工芸や地域文化教材を作成し、主にシニア層を中心に知的欲求を満足させる質的に高度な内容が特徴である。また、学習者が伝統工芸に興味を持ち、産地に赴き、紀行、観光のための自己啓発支援めための効果的なシステム(エコミュージアム)との連携も検討し、シニア向けの教養・娯楽ニーズに沿った生涯学習用教材コンテンツの先駆けになることである。 23年度は、シニア層向け鑑賞型eラーニング教材としてサンプルコンテンツ素材を作成した。具体的には「3D立体視撮影による熟達者目線による有田焼伝統工芸技法ろくろ編」である。これは職人に3Dカメラを装着したヘルメットをかぶってもらい、実際にろくろを用いて陶磁器を制作する過程をハイビジョン撮影記録した。この映像を視聴者は3Dグラスをかけ専用モニターの立体視により職人の目線で作業工程を追体験できる。この没入感は技能教育体験として優れており、教材としての確かな可能性を持つ。 作成したサンプルコンテンツを、有田焼の技術や芸術性を概観する企画展「有田現代アートガーデンプレイス2011」でデモンストレーションを行った。アンケートの結果、多くの視聴者に教材としての有用性と期待を示す回答をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は資料収集、先行研究視察等を行い、開発研究のガイドライン、コンテンツのニーズなどを調査することができた。それを踏まえ、今年度は実際にサンプルコンテンツを作成し、研究指標に合わせ、簡易的に外部から評価をいただくこともできた。また、シニア層向けのエコミュージアム構想の母体となる伝統工芸産業や観光に注力しているNPOと連携し、地域協働としてのコンテンツ開発への基盤をつくりあげることもできた。
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今後の研究の推進方策 |
コンテンツ開発の基盤は整いつつあるので、3D立体視資料コンテンツに加えナラティブな立体視ハイビジョン鑑賞型映像を作成し、ストーリーテリングによる学習者の意識付けや動機付けを誘引させる仕掛けを企図する。 その後、シニア層向けのエコミュージアム・ツーリズムのコンテンツとして上記の教材を実装し、シニア層から評価を求めていく。また、職人からも評価をもらうことで、形成的な評価として教材の更なる発展と質の高さに寄与していくようにする。最終的にコンテンツの一部公開と報告書を作成する。
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