研究概要 |
本研究の目的は,1.携帯端末を利用した授業用学習環境の構築,2.携帯端末を利用した新しい教育方法の開発,3.学術的基盤のある携帯端末用学習アプリケーションの開発,である. 平成22年度に実施した研究は,学生に配付したiPhoneを活用した大学教育に関するものである.授業を補う自学自習システムの利用,Podcast配信された授業の聴講,統計学の授業やプログラミングの授業でのセカンドモニタとしての利用,シームレスなジェスチャー送信を可能とするプレゼンテーションシステムの実装,などの教育的試みがなされた.このうちいくつかのものについては,その教育効果の検証も行った.たとえば,iPhoneを教材提示用のセカンドモニタとして用いて,PCモニタではアプリケーション操作だけを行う試みでは,PCモニタ1台のみですべてを行う条件との比較実験がなされた.教材レイアウトを工夫すれば,学生はセカンドモニタとしてiPhoneを用いることを好むことが明らかになった. これら授業実践を含む,青山学院大学社会情報学部でのiPhoneの利用に関して,多くの学会発表を行った(3件の招待講演を含む).学術雑誌『コンピュータ&エデュケーション』に掲載された論文は,iPhone導入の目的と,これまでの様々な利用法をまとめたものである. 平成23年度に40万円を繰り越した.この予算は,数式を用いた出題と解答を行うことのできる,数式解答評価システムSTACKの構築に使用した.
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