研究概要 |
本研究の目的は,高校生・大学生を対象として,組込み・制御システムの概念,実装の学習を支援する教育環境における,教授者による容易なカスタマイズや運用が可能な機構,およびそのためのユーザインタフェース(UI)についての研究である.特に,ロボットや可視化を用いた教育環境において,多忙な教員・教授者が,各自で容易に授業の進度に合わせた組込みシステム学習教材を開発するための機構およびUIの構築法について,開発および評価を通して明らかにしていく.平成23年度は,前年度までの予備実験の結果を元に,プロトタイプシステムの開発,評価,およびUIについてのフィードバック,さらに教室内のクラウドシステムについて試作を行うことを目的としている。本年度の成果としては,組込みシステム,特にOSについて,その動作をWeb環境で可視化を行うツールのプラットフォームを開発した.これは,Javascriptで開発し,ブラウザ上で動作する環境である.これによって,学習支援教材をインストールすることなく,学習者が利用することが可能になった.また,組込みシステムの基盤として用いられているAndroidを対象として,ロボットなどを制御するマルチタスク環境で重要となるタスクのスケジューリングを低負荷で取得する機構を実装した.これについては,ロギングを支援するサーバを同時に実装し,ログデータの管理を容易にした.さらに.これらの提供基盤としてクラウド環境を構築し,その動作状況をモニタリングする環境を開発した.これによって,実行の監視を教授者や管理者が容易に行うことが可能になった.また,学習教材の一環として,ゲームをベースとした教材を試作し,学習者が興味を失わずに,組込みシステムの動作を理解できるようにした.
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であり,取りまとめと評価を行う.また各種教材および基盤について,対外発表を中心に行なっていく.テーマであるロボット教材については,今年度は実装,評価は行わなかったが,次年度はロボット教材への搭載および評価対象として取り組み,テーマに対する評価を行なっていく予定である.
|