研究概要 |
本研究は,我が国の教師が得意とし,学校現場の日常的な授業スタイルである一斉授業を対象とし,(1)ICT活用を組み込んだ教授スキルとして再体系化を行い,(2)教師の教授意図を効果的に支援するICT教材に求められる要件を明確にし,(3)そのようなICT教材を安価で容易に作成する手法を開発する,の3点を研究の目的としている。 平成22年度は以下のように研究を進めた。 1. すでに普通教室にICT環境が整った学校を対象とし,授業者のICT活用の意図,頻繁に利用しているICT機器,典型的なICT活用例,従来の教授スキルの習得の程度,従来の教授スキルのどの部分がICT活用によって軽減または重視されているか等について,研究代表者の堀田が参与観察を行い,データの整理をした。 2. 普通教室のICT環境の整備程度と,実践者の活用頻度についての質問紙調査を,連携研究者め野中が行い,その分析結果について学会で報告した。 3. 指導者用デジタル教科書のプロトタイプを作成することを通して,簡便な開発手法の検討を研究代表者の堀田が行った。 4. 指導者用デジタル教科書を活用した授業における教員の授業スキルの観察を,連携研究者の高橋が行い,その分析結果について学会で報告した。 5. ICT活用による学習指導が学校現場に根付いており,かつカリキュラムや教師研修が日本のそれと類似している英国を,研究代表者の堀田が視察し,ICT活用による学習指導の効果,教師教育の現状,授業への参与観察による教授スキルの日英の異同等について調査を行った。
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