| 研究概要 |
本研究は,自然現象についての実体験が不足している自然科学学習者を対象に,地球という惑星に関する実感の伴った理解を促すための教材ネットワークを研究,開発することを目的とする.地球について学習する際に用いられる教材としては,宇宙空間で撮影された地球の映像や,太陽のまわりを地球が公転する様子を描いた説明図などがよく用いられるが,学習者にとって地球のスケールが日常感覚で把握可能なスケールを遥かに越えているため,地球を外から見た映像は知っていても足元の地面や頭上の空との対応がつきにくい.そこで,自然科学の学習者が地球をスケール感をもって実感できることを目指した教材ネットワークの構築のために,インターネット接続可能な小型・軽量な全天撮影装置として視野角180°のカメラを準備し,撮影装置を試作した.同全天撮影装置により撮影される映像についての検証をおこなったところ,全天映像中の太陽の映像について検討しなければならないことがあることがわかり,解決法を検討した.また,同全天撮影装置を利用して自然環境に関する教材を開発することを念頭に,東海大学沖縄地域研究センター(西表島)のマングローブにおいて群集生物の撮影について予備的な調査を行った.さらに,多ノード間コミュニケーション遠隔教育プログラムで使用する教材や,グローバルな地球像とローカルな環境観を同時に涵養するeラーニング教材の準備のために,ICT活用教育の先進事例であるアメリカ合衆国ノースカロライナ州Duke大学を訪問し,コンピュータ利用教育に関する意見交換をおこなった.
|
