2010年8月にMIT Media Labで開催されたScratch@MIT 2010で、身体や五感を使ったインタラクティブなワークショップを実施した。このワークショップで世界の研究者と実践の場を共有し情報交換を行ったことをきっかけに「Scratch Network Project」、さらにそれを発展させた「World Musem Project」を立ち上げた。現在までにボストン、シドニー、グラスゴー、内モンゴル、国内では津田塾大学、千葉工業大学、同志社女子大学、椙山女学園大学などの研究者、教育関係者との継続的な連携実践を行っている。9月には中国内モンゴル自治区エレンホト市のモンゴル民族学校を訪問してScratchを用いたワークショップを実施した結果、全校生徒を対象にScratchの授業を行うことになり、埼玉大学の協力を得て実現した。Scratchのモンゴル語化も行い、学校に導入した。国内外の研究者とのオンライン異文化連携による学習環境の基盤として、多言語対応可能なSocial Networking ServiceであるNoosferoを採用し、その日本語ローカライズを行った。中国語ローカライズも進めている。とよた科学体験館、地球環境総合研究所との連携も強化した。以上の成果により、国内外の研究者との連携体制が整った。学習成果としては、中京大学と仙台市立大野田小学校の連携授業では、大学生のScratch制作の内容が飛躍的に向上した。中京大学、津田塾大学、千葉工業大学の連携授業では、学生が主体的に、それぞれの専門分野を活かした連携態勢を模索する事が観察された。これらの成果は教育工学会研究会で発表した。11月にはこれまでの研究成果と今後の展望を、共同研究者との共著で「協同と表現のワークショップ」として東信堂より出版した。
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