研究概要 |
今年度(平成22年度)は,研究計画において記した,2つのサブテーマ(コンテンツの消化速度の分析,受講者の動作の検出)に取り組んだ. 1. コンテンツの消化速度の分析 まず,e-Learningにおける受講者間の動作の差異を検出するために,ページ間の移動およびマウスの移動履歴を収集するためのソフトウェアを,購入した機器の上で開発した.つぎに,ページ間の移動履歴とマウスの移動履歴に,当該のコンテンツに対する受講者の理解度が反映されていることを確認した.すなわち,ページ間の移動に後戻りのある受講者と後戻りがほとんどない受講者の比較において,前者の理解度が高く,かつノートの内容が適切であることを示した. 2. 受講者の動作の検出 まず,受講者がコンテンツを読む動作とノートを取る動作を,画像処理により自動的に判別するための手法を提案し,特に,ノートを取るタイミングが,当該のコンテンツに対する受講者の理解度と強い関係があることを示した.つぎに,コンテンツを読む動作における注視時間を調べ,理解度との関係について検討した.さらに,手書きノートの内容を解析するために,キーワード間の類似度を計る方法を提案し,複数の手書きノートに足対する実験結果により有効性を示した.また,手書きノートの内容をWebカメラで撮影する際に発生する用紙の斜めゆがみを補正する方法を提案し,その有効性を実験により検証した.加えて,受講者の顔の動作を画像処理により検出する方法を提案し,受講者間の興味の差異を判定する問題に適用し,実験により,その有効性を示した.
|