研究課題/領域番号 |
22500952
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研究機関 | 国際学院埼玉短期大学 |
研究代表者 |
田中 功一 国際学院埼玉短期大学, 幼児保育学科, 准教授 (10413006)
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研究分担者 |
小倉 隆一郎 文教大学, 教育学部, 教授 (60177201)
中平 勝子 長岡技術科学大学, eラーニング研究実践センター, 助教 (80339621)
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キーワード | モバイルラーニング / 実技教育 / 振り返り学習 / 声がけ / 励まし / SNS / 音楽教育 / ピアノ |
研究概要 |
保育士志望の学生にとって、ピアノ実技の経験不足が重要な課題となる。本研究は、そのような経験不足が見られた場合、効果的に技能習得を図るため、1)eラーニングによる正課授業の補完、2)モバイルラーニングによる振り返り学習をまとめたシステムの構築とその導入効果を検証・評価するものである。構成は、1)模範演奏の提示、2)学生の実演提出、3)教員と学生の励ましによる練習促進、4)自身の実演を聴く振り返り学習等を骨子とする。特徴は、「振り返り」と「気づき」の場をモバイルが担う音楽実技に特化したeラーニングであり、正課授業の質的向上を図ることを目的とする。平成22年度はシステムの構築、平成23年度は試験運用を開始及び一部システムの修正を行った。 方法は、1)少人数グループ作成、2)学生登録、3)模範演奏掲載、4)模範演奏の学習、5)自身の実演を携帯等で録音・投稿、6)振返り日記を記入、7)教員が励ましを投稿、さらに学生間で他者の実演を聴き励ましを投稿、以上である。 結果は、バイエル教本学習者98名について本システムを利用した20名と利用しなかった78名の2つに分け、それぞれを母集団としてピアノ試験の成績を比較した。1)モバイル被験者合計20名、2)送信回数合計99回、3)送信を受けた回数合計50回、4)課題提出回数合計46回、5)励まし送信回数合計31回、6)振返り回数合計22回、7)振返りへの投稿を受けた回数合計20回となった。7月26日の試験結果を示す。括弧内の数字は、「(システム利用者,利用しなかった)」のように示す。被験者数(20,78)、ピアノ曲試験の平均点(68.0,65.7)、Med.(69,67)、Max.(72,72)、Min.(60,40)、SD(3.81,5.38)、不合格者数(0,8)となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試験結果(システム利用者した、利用しなかった)は、被験者数(20,78)、ピアノ曲試験の平均点(68.0,65.7)、Med.(69,67)、Max.(72,72)、Min.(60,40)、SD(3.81,5.38)、不合格者数(0,8)となった。この結果からおおむね順調に進展しているといえる。携帯電話からスマートフォンへの移行期であることから、当初想定した録音方式では動作しないケースが見られた。この点は可能な範囲で対応を図ったが、一部の簡易型スマートフォンにおいて録音機能がない機種については被験者から除外した。全体として今回の結果から平成24年度の本運用を目指した平成23年度の位置づけにおいてほぼ目的を達成できたと評価する。
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今後の研究の推進方策 |
本システムの導入効果について、7月に一回目、25年1月に二回目の検証を経て全体をまとめる。スケジュールは5月に被験者の確定、一回目は、6月より本運用開始、7月に前期試験を実施し本システム参加者と非参加者の比較を行う。試験直後に本システムの利便性に関する調査を実施する。二回目は、12月より開始し1月に後期試験を実施し7月と同様に比較する。さらに一回目と二回目を総合的に検証し評価、報告を行う。
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