研究課題/領域番号 |
22500953
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研究機関 | 自由が丘産能短期大学 |
研究代表者 |
豊田 雄彦 自由が丘産能短期大学, 能率科, 教授 (80331411)
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研究分担者 |
鈴木 美香 自由が丘産能短期大学, 能率科, 准教授 (70259034)
石嶺 ちづる 自由が丘産能短期大学, 講師 (80551655)
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キーワード | 就職活動 / キャリア教育 / テキストマイニング / 主題分析 / 感情体験 |
研究概要 |
平成22年度は、就職活動過程にある学生によってまとめられた対人コミュニケーション関連事例報告としての「就職体験事例文」データを収集蓄積し、テキストマイニングなどによる解析を実行した。 就職活動の既体験者(短期大学2年生)による「就職活動体験記」を就職活動「前夜」の1年生に先行学習経験のテキストとして与える可能性について検討を行い、就職活動・既体験者の報告記述の中に現れる頻出語と、その語を含む文脈、およびそれら頻出語とその関連語を検討した結果、「遅刻」など経年的な就職市場の変動と合わせて効果のあり方を考慮する必要のある用語も検出された。頻出語とそれらを含む文脈には記述者の感情体験が示唆されており、今後学生が自発的に学べるデータベースを構築することにより、より分析のためのデータ取得が進むと考えられる。 また学生による「就職活動体験記」から用語間の関係性や共変性、まとまりなどを検出するテキストマイニングの手法でカテゴリ化を行い、「悲しい」「困っている」「不満」「不安」「諦め」などネガティヴな感情体験に関連する記述の分析を行った。その結果、「試験、面接の結果」「活動準備と探索活動」「人間関係による支援」「面接場面での体験」などの中心的な類型が示された。また説明会や試験会場にたどり着くことに失敗するという記述例が、単純に事例研究として読んでいた際の印象以上に多いというデータも示された。教職員の事前の適切な指導介入により、この問題の発生は減らすことができる。また一方で、個別の事案についてデータ解析からすべてを検証できない「サイン」が示される場合もあると確認された。その際は原文の記述に立ち返り、必要に応じて対面的な相談場面に導入するなど、最終的には「人対人」の課題とする必要もあるというキャリア支援の「基本」が確認された。
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