研究概要 |
平成22年度は,研究を実施するための機器とソフトウェアを導入し装置の開発を開始した。 e-Learningシステムを構築するための,ものづくりのためのカリキュラム開発を行った(I)。次に,力覚装置のネットワーク伝送時の特性について実験を行い明らかにした(II)。I)1.仮想現実の一例として,力覚装置の開発をエンジニアリングデザイン教育として位置付けるために,カリキュラムの開発と検討をおこなった。力覚装置は高価なために一般には普及していないものが多い。そこで,実験に利用できる程度に安価に抑え,機構部・電子回路部・ソフトウェア部として構成できるようにした。さらに,それぞれに組み立て等の工夫や発見が取り入れられるように工夫している。材料等は制限された部品のみを利用することで問題解決能力に対応させた。2.実際に検討したカリキュラムを授業へと展開し,力覚装置の開発を行った。授業で展開できる程度に価格を20分の1以下の低価格にすることが可能となり,実験教材としても利用が可能となった。3.今回実施した力覚装置の試作を通して,エンジニアリングデザインの基本である作業のフィードバックと達成度評価を行うことで,エンジニアリングデザイン教育としての有効性を明らかにした。II)1.ネットワーク間を利用する力覚装置では,遅延が操作性に及ぼす影響が問題視されている。そこで,現在までに明らかにされている力覚のネットワーク伝送時の遅延の影響を参考にして,習字モデルから実際に力覚装置を操作するときの遅延時間を相互比較させた。遅延間隔の変化を5ms以下になると被験者の判断は,遅延時間の変化を順序立て認識し始めていることを心理実験から明らかにした。
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