昨年度は,入力インタフェースとして力覚ディスプレイをとらえて,動作する力覚装置が面を触るときの特性を明らかにした。実際の対象物である紙の表面の粗さや,動き方については,静止摩擦や動摩擦について操作性の観点から感覚量の範囲について検討した。粗さは,皮膚感覚の特性となり力覚装置にはなじまないが,力覚での指針について成果を得た。本年は表面の粗さ等を表現する特性について,タッチパネルのタッチ面を振動させる方法を使用して,操作面を触った感触を得るときの特性について恒常法を用いて実験し,最尤法で解析した。「1.83,1.85,3.42,6.00,14.21,26.16,36.6[μm]」まで7種類に分割し,触覚による感覚量の弁別閾を測定した。その結果,6[μm]を主観的評価点と標準刺激として近似点を得た。上記の7種類刺激を基準としたタッチパネルの刺激特性を得た。これらは,スレートコンピュータ等が普及し,ディジタルコンテンツや電子教科書を利用するときに,より現実感を提供する資料になると考えている。また,コンピュータで作成された仮想現実中での協調作業について実験した結果,視覚と力覚とのずれによる感覚量の変化は5-10ms程度で認識され始めている。さらに,仮想現実内での複数の学習者が同一の作業を行う場合を前提に,ネットワーク間において発生するパケット欠落等の影響について実験を行った,ネットワーク間遅延が5-10ms程度で操作性に違和感が生じることを得た。
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