研究概要 |
本研究の目的は,一斉授業を基本としたプログラミング教育の学習効果を高めるために,LMS(Learning Management System)であるMoodle上で協調学習を行うための学習環境を開発し,一斉授業,eラーニングによる個別学習,協調学習環境を活用した相互評価や問題作成を行う協調学習をブレンドした授業の効果を明らかにすることである. 平成23年度は,平成22年度に試作した本研究の基盤となる相互評価を行うための協調学習環境および学習者が問題(eラーニングの形成的テスト)を作成するための協調学習環境の完成度を高め,Moodle上に実装した(早勢欣和,新開純子:学習者による作問に基づく協調学習環境のためのMoodleモジュールの試作,大学ICT推進協議会2011年度年次大会論文集,pp.288-289(2011)). 一方,効果的なブレンド型プログラミング教育を設計・実践するために,自作のアルゴリズム作成支援システムとeラーニングをブレンドしたプログラミング教育を実践して,ブレンドする各メディア(アルゴリズム作成支援システム,eラーニング,相互評価を行う協調学習等)の学習効果とブレンド型授業の有用性を検証した(新開純子,宮地功:ブレンド型授業によるプログラミング教育の効果,教育システム情報学会誌,Vol.28,No.2,pp.151-162(2011)). 今後は,Moodleに実装した協調学習環境を活用して,学習者が問題作成を行う活動をブレンドした授業を実践する.実践後,学習者のプログラミングに関する意識と力の変容や試験得点の変容により,協調学習環境を活用したブレンド型授業の学習効果を検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究ではMoodleを基盤とした協調学習環境を構築し,その環境を活用したブレンド型授業を実践して,その教育効果を明らかにする.平成22年度と平成23年度の2年間で構築する計画であった,学習者による問題作成および相互評価を行うための協調学習環境を開発し,Moodle上に実装したので,おおむね順調であるといえる.
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