本研究の目的は,一斉授業を基本としたプログラミング教育の学習効果を高めるために,LMS(Learning Management System)であるMoodle上で協調学習を行うための協調的作問環境を開発し,一斉授業,eラーニングによる個別学習,協調学習環境を活用した相互評価や問題作成を行う協調学習をブレンドした授業の効果を明らかにすることである. 平成22年度と23年度の2年間でMoodle上に実装した学習者による作問および,学習者同士が相互評価を行うための協調的作問環境を活用した授業実践を平成24年度に行った.授業実践後に,学習者のプログラミングに関する力と意識の変容と協調的作問環境の利用評価などについてアンケート調査した.その結果,学習者による作問および学習者同士による評価活動は,学習内容の復習になり,学習内容の知識を定着させ,プログラミング能力を向上させると学習者が思っていることがわかった.これにより,作問をして評価活動を行う協調学習の有効性を確認することができた(新開 純子,早勢 欣和,宮地 功:協調的作問環境を活用したプログラミング教育の試み,電子情報通信学会技術研究報告ET2010-42,Vol.110,No.263,pp.7-10(2012)).
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