本研究では、NetCommonsを基盤として学校情報化のためのワンステップシステムの研究開発を行う。NetCommonsには(1)学校ウェブサイト構築機能(2)グループウェア機能(3)授業支援機能(4)個人のバーチャルデスクトップ機能の4つの要素が統合されている。ただし、本研究に先立つ事前調査では、学校ウェブサイトとして活用している学校はもっぱらウェブサイトとしてのみ活用し、グループウェアとして活用している学校はグループウェアとしてのみ活用しており、4つの要素すべてを使いこなしている教育機関は残念ながら非常に少ないということがわかった。 NetCommonsを基盤として教育機関向けワンストップシステムを構築するには、この原因を究明することが不可欠であるため、すでにNetCommonsを導入している埼玉県総合教育センターに協力を求め、「CMSを基盤とした学習支援に関する研究」の中で、(1)教員・生徒向けグループウェアとしての活用(2)小・中・高校における各教科での活用、に関して様々な研究実践を行い、その中で質的・量的な評価を行った。本成果についてはCATE2010で発表を行った。また、学校教育の情報化の事例を収集・共有するために、2010年度NetCommonsユーザカンファレンスを開催し、研究成果の社会普及に努めた。
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