1.本研究の目的は、"海外からの影響が強かった江戸時代の天文儀器"を、全国にわたって系統的に調査することである。平成22年度は、オクタント(八分儀)とセキスタント(六分儀)を、主に器物史料を中心に調査研究した。 2.オクタント・セキスタントの調査成果 過去に予備調査を実施した、オクタント・セキスタントに加えて、新出の矢掛町個人蒐集家(岡山県)所蔵品を調査した。これは岡山藩の測量方が幕末に実際に使用したオクタントで貴重である。また、今回の科研費調査で、下関の個人及び熊本市立博物館にも所蔵されることが判明した。 3.天文学史国際会議の主催 20年の歴史を持つ、東洋天文学史国際会議の第7回(ICOA-7)を、2010年9月6-10日に国立天文台(三鷹市)で主催した。海外参加者31名、国内参加者25名、発表論文数は65件の盛会だった。英文集録の編集と刊行準備を現在進めている。
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