本年度(2010年度)は日本における結核制圧計画の実態とその評価をめぐる歴史について調査が主体となった。焦点を結核の予防接種であるBCGに関して調査を行った。その調査において、1945年から1972年まで米軍統治下にあった沖縄においては長年BCG接種が行われておらず、それが図らずも、本土におけるBCGの効果を測るための対象群として沖縄での結核の流行が重要な意味を持つことが判明した。これらの研究成果についてはすでに著作としての原稿を準備しており、なるべく早い段階で公表したいと考えている。 本年度は結核に多くの時間がとられ地震の問題の調査は進んでいない。しかし本年度末に東日本大震災が発生し、かねて心配されていた原子力発電所で大きな事故が起きている。この問題を考え、来年度の研究計画として、原子力発電所の地元住民の問題を調査研究すべきだと考えている。
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