インドの古典天文学とそれに基づいた暦法の伝統がどのような形で現代に生き続けているかを、サンスクリット原典の研究と、インドおよびネパールにおけるフィールド調査によって明らかにした。サンスクリット文献では特に『ヤヴァナ・ジャータカ』、『アールヤバティーヤ』に対するバースカラ一世の注釈書、『スールヤシッダーンタ』を読み、写本研究の重要性を再認識し、ネパールでは『ヤヴァナ・ジャータカ』の新しい写本を発見した。ネパールでは王制が倒され新体制になっても伝統的な暦が生き続けていることを確認した。南インドのケララ州では占星術師たちのインタビューを行い、貝殻による計算が生き続けていることを知った。
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