研究課題/領域番号 |
22500972
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
斉藤 了文 関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)
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研究分担者 |
吉田 敬介 九州大学, 工学研究科, 教授 (60191582)
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キーワード | 人工物 / 技術論 / 制度 / 工学倫理 |
研究概要 |
平成23年度は、関西工学倫理研究会を4回開催した。2011年6月20日(土)の第41回研究会では、斉藤が福島原発について話題提供し、招待者によるドイツの技術者協会の話を聞いた。7月19日の第42回研究会では、福島原発事故について議論し、工学の設計の考え方と倫理について講演者を招いて議論した。11月22日の第43回研究会では、倫理綱領の哲学の話を聞き、さらにパナソニックの技術者に商品開発と企業内技術者の問題を講演してもらい、議論をした。12月19日の第44回研究会では、研究会のメンバーである技術者OBの話と、ダイキン工業の技術者に組織に埋め込まれた知識の話を聞いた。このように多数の技術者の話を聞くことによって技術論の基本的知見を深め、広い関連領域の議論にも目配せをし、そこでの議論を通じて更に問題の深化と、技術論の枠組みの明示化を目指してきた。 また、「応用哲学会」京都臨時大会、「STS学会」では、現在仕上がった限りでの技術論の枠組みを提示し、それについて多様な議論を行ってきた。また、「関西工学倫理研究会」および「機械学会シンポジウム」においては、福島原発について技術論の立場からまた工学倫理の立場から問題を提起しコメントをしてきた。 なお、福島原発に関わるシンポには、電気学会をはじめとしていくつかの講演会に参加し、日本工学アカデミーの「根本エンジニアリング」にも参加し、技術論の議論を深めてきた。さらに、現場の理解のために、工場見学にも積極的に参加してきた。また、22年度から機械学会の技術倫理委員会の委員になっている。これらの多様な経験と成果を踏まえた上で更なる技術論の枠組みの構築や検証を行いつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多様な議論を続けている。だんだんと方針が固まりつつあり、今年度は論文を複数発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
一応、順調に研究は進んではいるが、もともと広大な領域であるために、更なる研鑚も必要となる。また、多くの人との交流を通じて、共同研究の必要性を感じている。 さらに大きなプロジェクトを起こして、知的考察の大きな流れを作っていきたい。
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