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2012 年度 実績報告書

アイヌ文化の住居建築材にみられる古環境利用の動態研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500973
研究機関北海道大学

研究代表者

守屋 豊人  北海道大学, 埋蔵文化財調査室, 特定専門職員 (60396273)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードアイヌ文化 / 木製品 / 材質分析 / 樹種識別 / 建築材
研究概要

平成24年度は、北海道東部の常呂川河口遺跡から出土した木製品(住居建築材を含む)の観察・分類や、木製品(特に住居建築材および構築材)の一部に対して、試料採取・プレパラート作製し樹種識別をおこなった。加えて平成23年度に実施したプレパラート作製によって針葉樹・広葉樹に樹種識別した木製品について、属レベルまで樹種識別が可能であるかどうかを再検討した。また、住居建築材の分類をおこなうため、類例検討、発掘調査で確認された建物址の検討(主に柱穴)を実施した。
1.建築材、道具類と分類できる資料の内、約100点を抽出し、樹種識別のためのプレパラート作製や樹種識別をおこなった。平成23年度までにおこなった樹種識別の内、再検討の必要性が生じた木製品について属レベルまでの識別をおこなうため、再サンプルを実施した。
2.平成22年~平成24年度までの樹種識別結果から、資料選別し同定できた範囲内で広葉樹が9割、針葉樹が1割の比率と確認できた。広葉樹材ではヤナギ属、コナラ属コナラ節、トネリコ属が主体とわかり、花粉分析などで明らかとなっている遺跡周辺の古植生(針広混交林)において主に、広葉樹材を入手していたとより明らかになった。その結果の一部については、取りまとめ、学会で発表した。
3.近年の発掘調査で確認された、アイヌ文化の平地式住居址を集成し、学際的(考古学、建築学など)な資料検討をおこなった。特に、平地式住居址で確認された柱穴の発見状態や埋没過程の把握が常呂川河口遺跡で発見された建築材を分類する上で重要であると確認した。
4.樹種識別を実施する過程で、ブナ属1点を確認した。現在、天然林としてのブナ属分布の北端は北海道寿都郡周辺とされる。道央部の遺跡(千歳市キウス4遺跡)でブナ属が発見されていたが、今回のブナ属の発見は道東部の遺跡における初めての事例で、樹木利用を考える上で貴重な成果となった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 北見市常呂川河口遺跡から出土した木質遺物の樹種同定2013

    • 著者名/発表者名
      守屋豊人、花里貴志、佐野雄三、渡邊陽子、武田修
    • 雑誌名

      第63回日本木材学会大会研究発表要旨集、 A28-P-AM04(CD-ROM版)

      巻: 1巻 ページ: 111-111

  • [雑誌論文] 北海道の遺跡における竪穴住居の柱材からみた樹種選択利用-擦文時代(オホーツク文化含む)の竪穴住居における道央部と道東部との比較研究-2012

    • 著者名/発表者名
      守屋豊人、佐野雄三、松波秀法、渡邊陽子
    • 雑誌名

      日本文化財科学会第29回研究発表要旨集

      巻: 1巻 ページ: 204-205

  • [学会発表] 北見市常呂川河口遺跡から出土した木質遺物の樹種同定2013

    • 著者名/発表者名
      守屋豊人、花里貴志、佐野雄三、渡邊陽子、武田修
    • 学会等名
      日本木材学会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市)
    • 年月日
      20130327-20130329
  • [学会発表] 北海道の遺跡における竪穴住居の柱材からみた樹種選択利用-擦文時代(オホーツク文化含む)の竪穴住居における道央部と道東部との比較研究-2012

    • 著者名/発表者名
      守屋豊人、佐野雄三、松波秀法、渡邊陽子
    • 学会等名
      日本文化財科学会
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 年月日
      20120623-20120624

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公開日: 2014-07-24  

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