研究課題
基盤研究(C)
ヨーロッパの11 ヶ国29 辰砂鉱山鉱石を収集し、硫黄同位体比を測定したところ、値は鉱山に依存していた。硫黄同位体比と水銀同位体比分析の二次元グラフはその差がより鮮明であった。しかし、遺物より採取可能量は少ないので、硫黄同位体比分析だけでローマ帝国時代の朱の産地同定を試みた。ハンガリーのエブダ出土朱はトランスシルバニア産、スペインのクルニア出土朱はアルマデン鉱山産と推察した。硫黄同位体比分析は古代の朱産地同定に有効な手法であり、水銀同位体分析を組み合わすと精度を高めることができる。
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