研究概要 |
本研究では,氷河地形と氷河流動モデルとをカップリングさせることにより,より客観的でリアリスティックな氷河像を復元することを目的としており,平成22年度に以下の研究を実施した。 ■3D数値氷河地形分布図の作成■ 1)従来の研究成果に加えて独自の写真判読も併用しながら、航空写真・国土地理情報をもとに氷河作用が働いた関連する地形を地理情報システムおよびデジタル図化機によって抽出し、GIS上でデジタルマッピングした。この成果の一部を,国際第四紀学会の最終氷期の氷河分布図作成ワーキンググループに日本の成果データとして提供した。内容は平成23年に開催される国際第四紀学会世界大会において公表される予定である。 2)ついで、マッピングした内容を3D化し,氷河流動モデルや気候変動モデルとカップリングできるように編集するルーチン手順を確立した。 ■地形による氷河分布復元と氷河流動モデルとのカップリング■ 1)デジタル3D化したインベントリー情報に基づいて、個々の氷河における平衡線高度を算出するための計算モデルの初期バージョンを構築し,GISでマッピング・復元した氷河とのカップリング手法の検討が可能なようにコンパイルした。 ■成果の発表■ 1)日高山脈の氷河復元に必要となる地質現象の解釈について論文にまとめ出版した。 2)GISを用いた氷河の3D復元手法,ならびに開発した氷河流動モデルの概略について,学会で口頭発表した。
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