研究課題/領域番号 |
22500991
|
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
菅沼 悠介 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (70431898)
|
研究分担者 |
三浦 英樹 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10271496)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 第四紀学 / 地形・地質学 / 地球システム変動学 / 古環境復元 / 南極氷床 / 氷床高度復元 / 地球温暖化 / 未来予測 |
研究概要 |
本研究では,東南極内陸山地での地形・地質学調査を実施し,1)氷床変動の痕跡(氷河地形)の認定と,2)表面露出年代およびグラシオハイドロアイソスタシー(GIA)モデルに基づく詳細な氷床高度変動史の復元を行う.そして,3)第四紀における氷床高度低下の時期,空間分布,原因,そして地球気候システム変動への影響を解明することを目的とする. セール・ロンダーネ山地中部に分布する氷河地形を風化度評価および分布高度に基づき3つの氷床後退ステージに分類した.また,基盤岩・迷子石試料の表面露出年代測定を行い,これらの氷河地形が氷床から解放された年代を求めた.その結果,最も新しい氷床後退ステージに対応するラテラルモレーンにおいては,露出年代値がモレーンの内側から外側に向かって新しくなること,つまりこのラテラルモレーンが段階的に形成されたことが確認された.特に,約1.3万年以降急激にモレーンが形成されたこと,つまり最終氷期以降の全球的な気温上昇に対応して東南極氷床の後退が起きたことが明らかになった.これは東南極内陸部において,最終氷期以降の連続的な氷床後退を直接的に示す重要な結果である.また,最も古い氷床後退ステージについては,early Pleistocene以降のセール・ロンダーネ山地における大規模な東南極氷床高度の低下を示していると考えられる.この時の氷床高度低下量を,GIAモデルを用いた固体地球の応答解析から定量的に求めたところ,セール・ロンダーネ山地における東南極氷床高度の低下は約570 mと見積もられた.この結果は,約300万年前以降の段階的な全地球的寒冷化と北半球氷床の発達に対応して,東南極氷床では水分輸送システムに大きな変化に起因する降雪量の低下によって,氷床高度が低下した可能性が示唆された.
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|