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2011 年度 実績報告書

癌化における低分子量GTP結合蛋白質Ralの役割

研究課題

研究課題/領域番号 22501009
研究機関東北大学

研究代表者

堀内 久徳  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90291426)

キーワードがん / 膀胱癌 / Ral / RalGAP
研究概要

低分子量GTP結合蛋白質Rasは多くの細胞成長因子の下流で働くシグナルのスイッチである。その活性は、活性化因子GEF(GDP/GTP交換因子)と不活性化因子GAP(GTPase活性化因子)のバランスによって制御されている。ヒトの多くの癌で変異を来しているRasは、Raf、PI3キナーゼおよびRalGEF(低分子量GTP結合蛋白質Ralの活性化因子)を直接のエフェクターとする。最近、RalGEFを介したRalの活性化がヒトの癌で重要であるという報告が相次いでいる。Ralの抑制性制御因子(GAP)はこれまで不明であったが、最近、我々は世界に先駆けてRalGAPを同定し(JBC,2009)、さらにその遺伝子改変マウスを作成した(未発表)。本年度は、膀胱癌悪性化におけるRalGAPの役割を重点的に解析し、膀胱組織の主要なRalGAP活性サブユニットはRalGAPα2だが、浸潤性膀胱癌細胞でRalGAPα2の発現が著しく低下し、そのため、Ralの活性が上昇していた。そして、浸潤性膀胱癌細胞へのRalGAPα2の強制発現はマウスで肺転移を抑制すること、化学膀胱発癌を誘導すると野生型では認めなかった浸潤性膀胱癌がRalGAPα2遺伝子KOマウスでは42%に生じたこと、癌組織でRalGAPα2が発現低下したヒト膀胱癌患者の生命予後は不良であることを見いだし、論文発表した。このようにRalGAPα2の発現低下は膀胱癌悪性化に深く関わっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度、膀胱癌におけるRalGAPの機能解析に重点をおいて研究を進め、細胞、遺伝子改変マウス、膀胱癌症例での検討をすべて併せ、Oncogene誌に論文を発表する事ができた。

今後の研究の推進方策

今後、当初予定していた残りのテーマに集中する。(1)RalGAP活性を制御するシグナリングを解明すること(2)未だ同定されていない細胞癌化を担うRalの直接のエフェクターを同定すること。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Downregulation of Ral GTPase-activating-protein causes tumor invasion and metastasis of bladder cancer2012

    • 著者名/発表者名
      R.Saito
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: (未定)(In press)

    • DOI

      10.1038/onc.2012.101

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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