研究課題
我々は戦略的創造研究推進事業助成(平成16-21年)を受け、大腸発癌および癌進展において重要な役割を担う因子について解析を行い、従来のセントラルドグマの概念を越えた臨床的に意味のあるncRNAの存在が示唆されるに至った。現在我々はncRNAの中でも、12q.13.13からHox transcript antisense intergenic RNA (HOTAIR)について検討している。HOTAIRは2007年HOXC locus (12q.13.13)のtilling arrayから同定された2.2kbのlarge intervening non-coding RNA (lincRNA)で、histone H3 lysine27 (H3K27) methylaseを有するPolycomb repressive complex 2 (PRC2)と共同して、別の遺伝子座のHOXD locusのhistone H3 lysine-27をtirimethylationし、HOXDなど複数の転移抑制遺伝子の発現を抑制することで、癌の転移に促進的に働くことが報告された(1)。そこでこのHOTAIRについて、大腸癌でRT-PCRで予後因子としての意義を検討した。100例の大腸癌組織・正常大腸粘膜におけるHOTAIR遺伝子発現を調べたところ、正常大腸粘膜ではほとんど発現していないHOTAIRが大腸癌組織においては高発現しており、癌部でのHOTAIRの高発現が予後不良となることがわかった。臨床病理学的因子との関連については特に肝転移のとの関連が強く、乳癌でのの報告と一致していた。また、cDNA array dataをもとにしたGSEA解析から、HOTAIRが大腸癌においても乳癌と同様にPRC2の再標的を誘導することで癌進展を促進する可能性を見出した。現在これらのデータをもとに、論文を作成し、投稿したところである。今後他のncRNAも含めて、包括的な検討を行っていう予定である。
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