研究課題/領域番号 |
22501019
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50192753)
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研究分担者 |
村井 法之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60300927)
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キーワード | がん細胞の特性 / ポリアミン / 翻訳調節 / 蛍光タンパク質 / アンチザイム |
研究概要 |
細胞内のポリアミン濃度が高値となるとアンチザイム(AZ)が翻訳フレームシフト機構によって発現することを利用し、AZのフレームシフト配列を2つの蛍光タンパク質(ECFP,Keima-Red)の間に連結したコンストラクトを作製し培養細胞に導入した。しかしポリアミンによるフレームシフトがほとんど確認されず、ポリアミン応答性に問題があった。そこでフレームシフト配列部分の改良を行った。今回はアンチザイム1の全ての塩基配列と緑色蛍光タンパク質EGFPのみを使用したコンストラクトを作製した。具体的には、アンチザイム1をN末端にからフレームシフト部位までの配列(シュードノット構造有無の2タイプを作製)とそれ以降に分けてEGFPの配列を挟むように連結した。さらに、抗HA抗体や抗FLAG抗体を用いたイムノブロッティングによるフレームシフトプロダクトの検出が可能なようにHAとFLAGの両タグをN末端に付加した。これにより細胞内でポリアミンが高値となったとき、EGFPを含むフレームシフトプロダクトが合成され、蛍光顕微鏡により観察されると期待し解析を行った。CHO細胞にコンストラクトを一過性に発現させ、24時間後にポリアミン(プトレッシン10mM)を7~24時間添加し細胞内のポリアミンの濃度を上昇させた。DFMO(ポリアミン合成の律速酵素であるODCの阻害剤)を添加しポリアミン濃度を低下させた細胞をコントロールとした。これらの細胞に発現したフレームシフトプロダクトを蛍光顕微鏡にて検出した。その結果ポリアミンを添加した細胞で明らかなEGFPの蛍光強度の増加が観察された。また、細胞内のフレームシフトプロダクトの発現を抗HA抗体によるイムノブロットによる解析からもポリアミンによる明らかな発現上昇がみられた。 今後は当初使用予定のKeima-RedとECFPをコンストラクトに組み込んでも機能するか確認する。さらに培養細胞での機能が確認されればトランスジェニックマウスの作成に移行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画したポリアミンセンサーのコンストラクトが細胞内でうまく機能しないことが判明し、コンストラクトの改良が必要になったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究でポリアミンに応答するコンストラクトが作成できたが、さらに蛍光タンパク質などの改良が必要である。コンストラクトの改良が終わり次第トランスジェニックマウスの作成に移行する。本年度使用期限のトランスジェニックマウス委託費75万円はコンストラクト作製の遅れにより全く使用できなかった。しかし理化学研究所(神戸)に委託すると、来年度予算内でトランスジェニックマウスの作成が可能となり研究を遂行できる。
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