研究課題/領域番号 |
22501032
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上之園 芳一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60398279)
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研究分担者 |
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70237577)
有上 貴明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40527058)
有馬 豪男 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (90418856)
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キーワード | 微小癌細胞 / NOGマウス / CellSearch |
研究概要 |
癌治療の個別化を目的とした循環癌細胞(CTC)の自動診断法の確立とその動物実験(NOGマウス)モデルにおける培養、感受性試験を目的に研究を行った。CTCの分離および培養の手法として磁気ビーズ(Nanoferrofluid)の脱着に関する実験を行ったが、効率が不良であることが確認されたため、磁気ビーズで癌細胞回収を行った後に、そのままの状態での培養手法を確立した。これらをNOGマウスにより増殖確認を続行しており、内視鏡検査等で得られた生検検体での生着も併せて確認作業を行っている。これらの実験から洗浄腹水中での癌細胞回収およびRT-PCR法での診断法の確立に向けた試みも同時に行い、癌細胞回収のみならず術中迅速診断法へのRT-PCR法の応用手技について研究を行った。現段階で胆膵癌および胃癌における腹水細胞診とRT-PCR法での診断は同等以上の成績が得られてきており、客観的に評価できること35分で結果が得られることから鑑みて臨床応用の可能性を秘めるものと考えている。 同時に従来より胃癌患者で採取してきたCTCの存在の有無において予後に影響を与えるかの確認調査を行ったが、手術による切除例および切除不能、再発胃癌のいずれにおいても有意差を持って予後に差があることが確認された。また、抗癌剤治療患者における治療前後でのCTC数の変化と画像評価との関係について検討をすすめているが、これにおいても関連性が確認されつつある。このことから、実際の臨床の現場における術後補助療法の選択、術前化学療法症例の選択、化学療法の効果判定に応用できる可能性が示唆されている。これらについても今後基礎的研究に基づいて証明する必要がある。
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