研究概要 |
16種類のがん細胞パネルを用いた抗腫瘍活性評価では86種類の新規誘導体についての評価を終え、ディアリルペンタノイド構造を持ついくつかの誘導体の抗腫瘍活性がin vivoでも増強している事を見いだした(投稿中)。新規誘導体GO-Y030はIKK betaに対する直接阻害活性を有し、強力なNF-kB阻害剤となりうることを示した(Cancer Science, 2011)。また、ミエローマ細胞に対してGO-Y078,GO-Y030は強い抗腫瘍活性を示し、その標的分子はNF-kB, IRF-4, c-Myc, IL-6など多岐にわたることを示した。これらの化合物はミエローマの新たな治療薬として期待できる(2010年日本癌学会総会、投稿中)。また、新規クルクミン誘導体はKSRPと直接結合することが示され、これはc-Mycの発現制御に関連すると考えられた(ACS Medicinal Chemistry Letters, 2010)。また、GO-Y-78はHUVECに対して血管新生阻害活性を有し、その活性はSunitinibと同等以上であった。現在、Xenopusを用いたin vivoの系で検証中である。また、転移抑制活性についてもgelatin zymogramなどで示されており、同じくin vivoの系で検証中である。胃がんモデルマウスを用いたin vivoの抗腫瘍活性についても検証中である。さらに放射線性腸炎に対する防護効果を示唆するデータが得られており、現在、検証を行っている。
|