研究課題/領域番号 |
22501045
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小林 道也 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (30205489)
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研究分担者 |
藤田 守 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60037471)
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キーワード | 化学療法 / DAO活性 |
研究概要 |
抗癌剤(5-fluorouracil以下5-Fu)によって引き起こされる消化器系有害事象(主に下痢)について小腸粘膜の病理組織学的、超微形態学的な変化をとらえDAO活性との相関を明らかにし、小腸粘膜障害の指標としてDAO活性の有用性を示し、水溶性食物繊維の投与により小腸粘膜障害の予防ができることを明らかにすることを目的としている。 DAO活性測定については試薬の調整などの問題で測定値が不安定であることが指摘されている。重要なのは実験動物個体におけるDAO活性の推移であり、これは同一固体の検体を同時(一度の試薬の調整)に測定することによりこの問題を解決できると考え、実際の測定では、DAO活性測定に実績があり、中国・四国がんプロフェッショナル養成コンソーシアムにおける臨床研究でも測定を依頼している自然免疫応用技研株式会社(高松市)に依頼した。 ラットをコントロール群(抗癌剤未投与群)、5-fluorouracil(5-FU)投与群、に分け、それぞれ1週間前より水溶性食物繊維投与群と非投与群に分けた。下痢の状態を観察し、その程度をスコア化し、5-FU投与前、5目目、8日目に血中DAO活性を測定した。5FU投与群では水溶性食物繊維投与群は水溶性食物繊維非投与群に比べ重篤な下痢が少ない傾向にあった。また、5FU投与群では5FU非投与群に比べDAO活性の有意な低下が見られた。しかし、5日目において水溶性食物繊維投与群で水溶性食物繊維非投与群に比べDAO活性が高値であった。 小腸粘膜の形態学変化を光学顕微鏡で検討した。食物繊維投与群においては非投与群に比べ、小腸絨毛の形態が比較的維持されており、また浮腫も軽度であった。現在、走査型電子顕微鏡を用いて検討中であり、現時点では走査電子顕微鏡の結果はまだ確定的ではないが、小腸絨毛の舌状構造の破壊の程度が軽度である印象がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DAO活性の変化と光学顕微鏡による検討は順調に進展している。走査型顕微鏡の検討において標本処理法に再度検討が必要であったため、多少遅れているが、総じておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初、CDDP投与、paclitaxel投与においても同様の手法で検討する予定であったが、下痢の発生頻度が少なく、本研究の目的達成にそぐわないと判断し、主に5FUでの検討とした。また、免疫染色を用いて小腸上皮細胞の分裂能を検討する。
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