研究概要 |
平成22年度では (1) ヒトセプチン4ブラディオン測定法の確立(東海大・田中、産総研・田中)蛍光標識したブラディオン分子と試料を室温混和し、MF10(オリンパス)を用い、一分子蛍光測定法(FCS)によりブラディオン-試料結合体のゆらぎを測定する方法を確立した(Tanaka T, et al., The Open Conference Proceedings J, 1. 129-139, 2010)。 (2) in silco創薬-阻害物質候補選定と配備(東海大・田中、産総研・田中)候補物質選定のため、市販のリード化合物および真菌抽出による抗癌剤候補物質を保持している企業(金沢)への聞き回り調査を行った。引き続き、妥当な候補物質選定を行う。 (3) in votro薬効評価系樹立(東海大・田中、弘前大・鬼島、産総研・田中)患者血清および大腸内視鏡検査により病変を確認した血清検体を用いて、治療前後のブラディオン検出を行い、既に確立しているMF10(オリンパス)による計測系が病変検出のみならず、治療効果判定に資することを確認した。 (4) in vivo薬効評価系樹立(東海大・田中、京都工繊大・山口、産総研・田中)抗癌剤候補物質の生体毒性および抗癌作用の生体を用いた検索のため、遺伝子変異ショウジョウバエ株の配備を行った。この遺伝子変異は、細胞内シグナル伝達経路の一つのHippo経路遺伝子は、ショウジョウバエに過剰発現させることにより、単眼部分に癌化変異を起こすことが可能で、この変異ショウジョウバエに抗癌剤候補物質を接触させることにより、生態毒性と癌性変異の改善を計測することが可能である。このショウジョウバエ株の配備を完遂した。さらに、より複雑系として、ブラディオン遺伝子ノックアウトマウスの配備を完遂し、今後の実験に資する。
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