研究概要 |
1)早期乳癌で術前化学療法予定の患者に対して化学療法にゾレドロン酸4mg/3-4週の6ヶ月投与を併用し、病理学的効果を検討すると共にCTC,CEC,DTC(disseminated tumor cells,骨髄微小転移)等の変化を測定し、その変化を検討する。 H23年度において予定症例の登録を終了し、20例の早期乳癌患者に対するゾレドロン酸併用の術前化学療法を終了し、病理学的効果が明らかになった18例中2例でGrade 3,3例でGrade 2が得られた。CTCは治療開始前18例中3例で陽性であったが3例とも治療後消失した。CECは治療前85±106から治療後573±389と治療に伴い上昇し、効果が高い患者では増加する傾向があった。化学療法とゾレドロン酸の併用による術前化学療法で高い病理学的効果が得られる可能性、またCECの変動が治療効果のバイオマーカーになる可能性があり、今後さらに検討する。 2)骨髄におけるDTCとその微小環境との関係:骨髄生検におけるDTCと微小環境細胞の関係を検討する. A)病理学的検討:骨芽細胞、破骨細胞、血管内皮、血液細胞を免疫染色(RANKL,RANK等)も用いて特異的に染色し、DTCとの関係を明らかにする。 B)相互作用に関連する分子の検討:DTCまたは癌幹細胞と微小環境の相互作用に関連すると考えられる分子(SDF1,CXCR4,E-selectin,FGF,TGF-β等)の発現をtissue microarrayを用いて免疫染色にて網羅的に検討する。さらに化学療法またはゾレドロン酸による治療の前後の骨髄生検を用いて、それらの分子の発現変化を検討する。 C)ヒト乳がん細胞株MDA-MB-231の好骨転移性サブクローン用いたマウス骨転移モデルにおいて、重要性が示唆された分子に対する抑制剤、中和抗体等を用いて抑制効果の検討を行う。.
|