研究概要 |
1)早期乳癌で術前化学療法予定の患者に対して化学療法(CEF-weekly paclitaxel)にゾレドロン酸4mg/3-4週の6ヶ月投与を併用し、病理学的効果を検討すると共にCirculating Tumor cells (CTC), Circulating endothelial cells (CEC), DTC(disseminated tumor cells, 骨髄微小転移)等の変化を測定し、その変化を検討する。 H24年度において予定症例の登録を終了し、30例の早期乳癌患者に対するゾレドロン酸併用の術前化学療法を終了し、病理学的効果が明らかになった29例中3例でGrade 3, 6例でGrade 2が得られた。CTCは治療開始前30例中3例で陽性であったが3例とも治療後消失した。CECは治療前80±88から治療後605±428と治療に伴い上昇し、効果が高い患者ではより増加する傾向があったが有意差はなかった。 化学療法とゾレドロン酸の併用による術前化学療法で高い病理学的効果が得られなかったが、化学療法+ゾレドロン酸の併用によりCECが増加する可能性、更にCECの変動が治療効果のバイオマーカーになる可能性が示された。 2)骨髄におけるDTCとその微小環境との関係:骨髄生検におけるDTCと微小環境細胞の関係を検討する. DTC陽性例は30例中治療前3例のみ陽性であり細胞数も少なく、周囲微小環境の細胞との相互関係を判断するのは困難であった。また癌幹細胞と微小環境の相互作用に関連すると考えられる分子(SDF1等)を検討するのも困難であり、骨転移病変での再検討が必要と考えられた。
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