早期腎癌の治療は、手術が第一選択である。しかし、適切に切除した場合でも10%前後再発があり、また術後10年以上経過してから再発を認めることもある。腎癌の進展が宿主の免疫能と深く関与していると考えられるが、どのような免疫担当細胞が働いているのかは明らかにされていない。本研究では、早期腎癌患者から採取した術前末梢血中のγδ型T細胞数が少ないと、有意に術後再発をきたす事を見出した。術前に末梢血中のγδ型T細胞数の少ない症例では、術後のフォローアップを頻回にすることで早期の再発発見に寄与することが可能であり、また術後自己γδ型T細胞を用いた免疫療法を行うことで再発を予防できる可能性が示唆された。
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