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2010 年度 実績報告書

熱帯性大型底生有孔虫の産出状況から読み解く日本海の海水温上昇

研究課題

研究課題/領域番号 22510009
研究機関金沢大学

研究代表者

加藤 道雄  金沢大学, 自然システム学系, 教授 (10093741)

研究分担者 山本 政儀  金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (10121295)
キーワード能登半島 / 大型底生有孔虫 / Amphistegina radiate / 初室サイズ / 無効分散
研究概要

能登半島九十九湾より産出した大型底生有孔虫Amphistegina radiateが,九十九湾で三形性の生活環を完成させているか否かを明らかにするために,初室サイズの世代毎の変化を知る必要がある.このため,断面を作成し初室サイズと殻サイズを測定した.また,その基準となるものとして,生活環を完成させていると考えられる鹿児島県喜界島で採取したA.radiataについても同様に初室サイズと殻サイズの分布を調査した.
喜界島産の殻サイズは209μmから2100μmまでの幅があり,九十九湾産では247μm~1119μmの幅があった.分布には顕球型,微球型と見られるピークは無かった.これは,成熟前の個体も含まれていたためである,と考えられる.一方,初室サイズに関しては,喜界島産では13.2μm~101μmの幅があり,18μm~20μm,50μm~65μm,80μm~90μm付近に三つのピークが見られた.それぞれ微球型(Agamont),顕球型(Schizont),顕球型(Gamont)に対応するものと考えられる.これに対して,九十九湾産では,9.7μm~47.9μmの幅があり,20μm~25μmと40μm~45μm付近に二つのピークが見られた.これらは,それぞれ微球型(Agamont)と顕球型(Schizont)に対応するものと考えられる.
これらの結果から,九十九湾においてAmphistegina radiateは生活環を完結しないと考えられる.すなわち,南方で形成された配偶子や接合子が海流に乗って,九十九湾にたどり着き,顕球型(Schizont)の形成までは至ったものの,顕球型(Gamont)の形成には至らなかったと考えられる.したがって,能登半島九十九湾に産出する大型底生有孔虫、Amphistegina radiataは,無効分散の結果であると判断される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 底生有孔虫群集にもとづく富山県西部最上部新生界の堆積環境の時間的変遷2010

    • 著者名/発表者名
      亀谷涼子・加藤道雄
    • 学会等名
      日本古生物学会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)
    • 年月日
      2010-06-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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