研究課題/領域番号 |
22510011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古澤 文江 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 研究員 (70456705)
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キーワード | 人工衛星 / 大気現象 / 気候変動 / 地球観測 |
研究概要 |
23年度は初年度購入したシステムを使用し、TRMM衛星V6のデータを全て(つまり2011年6月までの13.5年分)を蓄積し初期解析をする計画であり、それを達成した。また、予定通りV7のデータが公開されたのでPRについては2012年2月まで蓄積した(PR以外は途中)。初期解析としては、全てのPRV6データにプログラムを流し、幾つかのパラメータについて扱いやすい0.05度×0.05度のグリッド化したPRデータファイルを陸上・海上・海岸上、対流性と層状性に分けて各地方時刻毎に月毎に作成するという目標は達成した。作成したパラメータは、観測回数、地表面付近の降水の観測回数とその降水量、X mm/hr以上の降水を観測した回数とその降水量(X=3,20)、降雨頂高度、ブライトバンド高度である。作成したグリッドデータから、降水量、降水強度、強い降水、弱い降水、対流性降水と層状性降水の割合の変動を調べた。変動は、領域・時間の平均値/各地域・各時刻の値、日周変化特性(最も大きな降水量をもつ時刻と、その降水量)/季節変化特性などである。しかし、V7データについてはコンピュータの計算速度の制限から1年分程しか解析が進んでいないためV6とV7の長期比較はできていない。また、地表面変化と降水特性の関係を調査するため初年度に改良したプログラムでアップデートした地表面射出率データセットをV6が存在する2011年6月まで作成して完成させた。さらに、TRMM PRとTMIのV7の最終テストデータ(1年分)が23年度春に配布されたので、2008年1月のPRとTMIの比較研究を行い、V6での比較結果と比べ、改善箇所、問題点などをまとめ、気象学会や研究集会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主な理由は昨年度購入したPCのトラブルと予想以上に遅い計算速度である。また、TRMMデータがバージョン7に変更になったことで、今までのバージョンアップでは予想されなかった大幅な改定、解析ツールの変更があり、新しい解析ツールのインストールとプログラムの変更が必要になった。ほとんど影響はなかったが、研究代表者の出産で2.5カ月席をはずし、自宅からの遠隔操作で研究を行った。
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今後の研究の推進方策 |
・PR V6データについてはデータが増えないので、今後変動解析をじっくりと行う。 ・PRV7データについては、最新データの入手を行い、過去の分と合わせ、粛々とプログラムを流し解析を進める。この解析が2011年6月のデータまで終了した時点で、V6とV7の解析結果比較を行う。 ・PR以外の測器のV7データの入手と解析プログラムの作成を行い解析する。 ・研究計画の変更点としては、連携研究者としていた田中広樹准教授がこの4月から研究生活を閉じてしまったので、流域解析結果の議論ができなくなってしまったが、個人レベルでできるだけ進める予定である。 ・コンピュータの計算速度が遅いことについては早くすることはできないということなので、解析プログラムを見直し、計算速度が出るようなプログラミングを心がけることで、改善可能かどうか調べる。
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