研究概要 |
24年度は初年度購入したシステムを使用し、V7のデータ(PR、TMI、VIRS)を2013年2月まで蓄積し、数年分のデータについて初期解析を行った。しかし、まだ数年分なので、V6とV7の長期比較はできていない。短期比較のみ行なった。 行なった初期解析としては、全てのPRV6データに加え、数年分のV7データにプログラムを流し、幾つかのパラメータについて扱いやすい0.05度×0.05度のグリッド化したPRデータファイルを陸上・海上・海岸上、対流性と層状性に分けて各地方時刻毎に月毎に作成した。作成したパラメータは、観測回数、地表面付近の降水の観測回数とその降水量、X mm/hr以上の降水を観測した回数とその降水量(X=3,20)、降雨頂高度、ブライトバンド高度である。作成したグリッドデータから、降水量、降水強度、強い降水、弱い降水、対流性降水と層状性降水の割合の変動を調べた。変動は、領域・時間の平均値/各地域・各時刻の値、日周変化特性(最も大きな降水量をもつ時刻と、その降水量)/季節変化特性などである。 また、地表面変化と降水特性の関係を調査するために作成している地表面射出率データセットをV7データを元に作成し直している途中である。さらに、TRMM衛星のみならず、アメリカの極軌道衛星NOAA-15,16,17,18の4つの衛星に搭載されている改良型マイクロ波探査装置(マイクロ波サウンダ)AMSU-A/Bのデータから射出率の導出も行なった。この装置は、TRMM-TMIより高周波におけるチャンネルを持っており、高周波の射出率を得ることができた。また、TRMM-TMIと異なり天頂角が一定でないため、射出率の角度依存性を捉えることができる。 一方、TRMM衛星搭載可視赤外観測装置VIRSから可視赤外における輝度温度から雲情報を調べ始めた。
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