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2010 年度 実績報告書

海洋と南極湖沼における硫黄循環と窒素循環に対する嫌気呼吸の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22510013
研究機関広島大学

研究代表者

松崎 雅広  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50294517)

キーワード環境変動 / 水環境 / 細菌 / 気候変動
研究概要

本年度は以下の解析を行った。
1.淡水湖の細菌群集構造解析
ラングボブデのぬるめ池、スカルブスネスの地蔵池、菩薩池、如来池、仏池、親子池、孫池の細菌群集構造解析を行った。データベース解析からはすべての淡水湖においてThiomicrospira sp.が優占属となり全クローンの48-86%を占めていた。Thiomicrospira sp.は北極や南極の海洋とアメリカのマクナード基地周辺の滝に生息する。一方、塩湖にも出現したMarinospirillum sp.などの菌属も数は少ないながら共通に出現した。この結果は海水由来の細菌属が淡水に変化した後でも生息し続けていることが示唆された。しかしながら、その出現頻度は低く、Thiomicrospira sp.が優占する単純な細菌群集構造を形成していた。淡水湖と塩湖には過剰に酸素が存在することから、これらの細菌群集構造の違いは塩分濃度の違いが原因であることが考えられた。
2.塩湖と淡水湖に出現する細菌属の系統解析
淡水湖と塩湖に出現する細菌属の塩基配列を用いて両池に出現する細菌の系統の違いを調べた。淡水湖のみに出現したThiomicrospira sp.は塩湖と淡水湖に共通に出現するMarinospirillum sp.やMarinobacter sp.に近縁であった。また、塩湖にのみ出現した細菌属はそれ自身を含む単独のクレードに分類され、しかも未培養クローンとして登録されているものが大半であった。このことはこれらの細菌が現在までに培養分離されていない細菌種であるか、もしくは氷河期後に大陸が上昇し取り残された細菌がそのまま南極湖沼において生き続けてきた古い細菌種である可能性も考えられた。
今後は2012年4月に共同研究者から送付される試料を解析し、新奇の培養可能細菌を分離する予定である。これらが単離培養できれば、新奇細菌であることが予想される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] DGGE法による南極湖沼の細菌群集構造の時空間解析2010

    • 著者名/発表者名
      松崎雅広
    • 学会等名
      極地研究所生物系研究小集会
    • 発表場所
      東京都立川市国立極地研究所
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] 南極昭和基地周辺の湖沼における細菌群集構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      松崎雅広, 他5名
    • 学会等名
      日本植物学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      山口県山口市山口大学
    • 年月日
      2010-05-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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